カフェの接客で常連客を掴むコツ【心理学】

小さなカフェの開業・経営をアトオシするカフェナレッジです。ネットの普及も相まって、生身の人間同士のコミュニケーションが希薄になっています。その心の渇きを満たしてくれるカフェがあるなら、人気が出るのは当然と言えるでしょう。今回は常連客を掴むカフェの接客のコツをお伝えします。

カフェ接客

カフェが求められていること

今は、家に居ながらほとんどの商品をアマゾンなどのECサイトで購入することができます。最近では、「Amazon Go」や「600」などの無人コンビニの話も、ちらほら聞くようになりました。便利になる一方で、どんどん人との接点が失われています。

しかし、人との触れ合いを求めるのが人間に生まれついた基本的欲求です。シェアオフィスやシャアハウスなどといったサービスが生まれたのは、単に経済的負担を減らすだけでなく、人との交流を求める一面があるからでしょう。

自宅やホテルで仕事ができるのに、わざわざカフェに来て仕事をしているフリーランサーやノマドワーカーを見て、つくづくそのように感じます。

私自身、客側ではないですが、沢山のお客さんと触れ合うことができたカフェのオーナー時代や、インバウンドの旅行業をしていた時は、毎日がとても楽しかった記憶があります。

カフェの最大の商品は接客

基本的に、チェーン店は回してなんぼの世界です。お客さんとの触れ合いは注文のやりとりぐらいです。それに対して、個人のカフェでは時間をとってお客さんと会話することが可能です。

無愛想だけど出てくる料理は絶品みたいな場合を除き、個人のカフェにとって最大の商品はあなた(スタッフ)の接客です。誰にも盗めないコンテンツであり、どのように接客するかで、常連客になってもらえるのか、もらえないのかが決まります。

もちろん、接客がよいだけでリピートしてくれるわけではありません。カフェの立地、店内の雰囲気、料理の味、価格帯、すべてがお客さんにとって合格点を満たしたうえでの話です。

カフェのお客さんとラポールを築く接客

ラポールという言葉を知っていますか?心理学用語で「相互信頼感」を指し、心が通い合っている状態を意味します。主にカウンセリングや教育の場などで使われる言葉です。

カウンターに座ったお客さんと長いこと話したのに、いま一つ仲良くなれない。そんな経験がある人は、次に説明するラポールを築く方法を意識してみてください。

非常にシンプルですが、営業マンからキャバクラのお姉さんまで、優れた接客スキルを持っている人は、ラポールという言葉を知らずとも、みなが実践している内容です。

ただし、ミラーリングとバックトラッキングは露骨にやると逆に気持ち悪がられますので、自然にできるように練習してみましょう。

ペーシング
話すスピードや抑揚、感情などを相手に合わせる
例)相手が早口ならこちらも早口で話す。早口な人にゆっくり話すと相手をイライラさせやすかったり、ゆっくりな人に早口で話すと威圧感を感じさせてしまいやすい。
ミラーリング
鏡のように、相手の動きや仕草、姿勢などを真似る
例)相手がドリンクを飲んだら、自分も同じように飲む。相手が首を傾げたら、自分も傾げるなど。時間差があっても効果があります。
バックトラッキング
相手の言葉を反復または要約する
例)相手が「最近、忙しくてね~」と言ったら、「最近、忙しいんですね~」と言います。ペーシングと合わせて使うと効果が高まります。

承認欲求を満たすカフェの接客

最後にもう一つお薦めしたい接客のコツがあります。フェイスブックなどから分かるとおり、人には自分の存在を認めてもらいたい承認欲求があります。その承認欲求をプラスに刺激する言葉があります。

それは、お客さんの名前を口に出すことです。会話中はもちろん、カフェに入店したときに開口一番、お客さんの名前を言うと大変喜んでもらえます。これ結構効きます。

海外のスターバックスなどでは、注文する時に必ず名前を聞かれて、その名前をプラスチックのコップにマジックで書いています。そして、ドリンクができたら名前を呼んでくれますね。

大手チェーン店のように信用担保がない個人店では、初対面でいきなり名前を聞くのは問題ですが、何度か来店してもらった後であれば、そこまで気にしないで良いと思います。名前を聞くことは、相手に関心を示すことと同意ですから、相手も好感を持つでしょう。

編集後記

カフェを開業したばかりでお客さんがまだ少ないときは、不安になることもあるかもしれません。そんな時こそ、目一杯楽しんでカフェの接客をしてみてください。これも優れた接客スキルの一つです。

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