小さなカフェの開業・経営をアトオシするカフェナレッジです。大学院時代は、研究者の端くれとして、日々、研究所の博士の皆様と喧々諤々していました。その中で「まだ誰もやったことがない研究であれば、それが簡単なことでも立派な研究としての価値があるよ」という言葉を鮮明に覚えています。
私は、これをビジネスにおいても常に意識して、他ではしていないことをやろうとしています。資本の乏しい中小企業や個人は、大手がひしめく場所ではなく、ニッチなところを攻めることでお客さんに価値を提供するのが基本戦略です。ランチェスターの法則でいう「弱者の戦い方」ですね。
あなたしか作れないカフェの内装を作ろう
あなたが開業するカフェもそうあるべきです。既に、あなたという存在が誰とも被らないニッチなものですが、それだけでは足りません。想像以上に空間(カフェの内装インテリア)がお客さんに与える影響は大きいです(もちろんメニューもですがこちらはまたいつか)。
私がオーナーをしていて売却したカフェが雑誌やTVに取り上げられたのは、店長が頑張ってくれたのもありますが、それをはじめに意識して投資したからです。メディアに無料で取材してもらうには、取り上げたいと思ってもらう個性が必要です。
どうやって他に存在しない内装のカフェを作るか
それでは、どうやって周りにはないカフェを作ることができるでしょうか。これは、内装業者の力をかりるのも一つですが、自分自身が外にでて、飲食店だけでなく色々な内装空間に触れることです。
「カフェを開業しようと思っているあなたへの5つの質問」でも書きましたが、新しいものの多くは、何かと何かの掛け算で生まれます。これを意識して見て回ってください。
ここで「別に掛け算でなくてもまったく新しいものでもいいですか?」という問いがあったとします。私ならその問に対し、リスクが大きいと答えます。なぜなら、ぶっとんだ新しいものは意外と人に好まれないのです。
これは、聞くところによると、本の出版業界でも同様で、まったく新しい概念の本を出すことを避ける傾向があるようです。古い考えと、新しい考えが混ざったものを出版するのです。つまり、時代遅れもダメですし、時代が追い付いていないものもダメな訳です。
内装デザインで意外と盲点なのは壁
とにかく色んなものを見て回ろうというアドバイスだけだと平凡なまとめになってしまうので、一つ具体的な提案をしたいと思います。
多くのカフェオーナーが内装を考えるときに、意外と壁のデザインを気にしません。これを逆手に取って、カフェの壁を一度見たら忘れられないインパクトのある絵をプロに描いてもらうのです。当然、あなたのカフェだけのために描いてもらうので、これだけでも他店と違った内装デザインとなりえます。
ネットで探したら、壁画描きを専門にされているオキ・ジュンコさんというイラストレーターがいらっしゃるようです。ただ、有名な方なので費用が高くつくと思います(あくまで推測)。
実は、私のカフェも店内ではないですが、店の外壁にプロの方に絵を描いてもらいました。その方の展示会に行った時にこれだと感じてダメ元で依頼。6万円前後だったと思います。こういうやり方なら費用は抑えられます。
ただ、その方の言い値でお支払いしました。値引き交渉は一切していません。こういうところは下手に出し惜しみせず気持ちよくやってもらいましょう。
編集後記
そうそう、たまに、安く済ませたかったのか、座り心地が悪い椅子のカフェがありますが、これはどちらかというと薄利多売の回転率を重視する「強者の戦い方」です・・。小さなカフェの場合は特に、あの接客や空間が好き!となってもらう必要があるのです。