カフェを開業しようと思っているあなたへの5つの質問

小さなカフェの開業・経営をアトオシするカフェナレッジです。カフェを開業する前に必要な問いを5つにまとめました。何かついて詳しければ詳しいほど、それはそのことについてセンスがあると言えます。あなたの本気度と、カフェを開業するセンスを確認してください。

カフェイメージ

カフェで働くことが好きですか?

人見知りでも構いません。ずばり珈琲を作ったり接客することが好きですか?※カフェの仕事には、仕入や経理など表に見えない仕事もあります。

万が一、単にお金を稼ぐためだけなら、開業にかけるお金をもっと違うことに投資した方が賢明です。人気店でも席数からおのずと売上に制限が発生しますし、同じお客さんと話す場合でも、クラブやキャバクラと比べて、ほんのわずかな売上です。

珈琲一杯700円の注文で2時間カウンターで話した時の1時間当たりの売上は350円です。カフェの仕事が好きでなければ早々に後悔することになるでしょう。

独自のカフェをオープンしますか?

いまや街中にカフェがあるのは普通です。その中から、お客さんに選んでもらうには、出店エリアにある他店と異なる売りを持てるかがとても重要です。珈琲を飲むだけでしたら、チェーン店やコンビニに行きます。

中には、お金を使って宣伝すれば、お客さんが来るだろうと思われている方もいるかもしれません。しかし、仮に一度来て貰えても、店を気に入って貰えなければ、二度目はありません。二度目がないのは個人のカフェでは致命的です。下手をしたら食べログ等で「悪い評判が広まります」

試しに、あなたがオープンしようと思っているカフェの宣伝用のチラシのラフを書いてみてください。「宣伝文句=売り」です。「〇〇初の〇〇カフェです」「あの有名な〇〇の豆を使っています」など、すらすらじゃなくとも、お客さんが来てみようと思える売りが書けますか?

難しい場合は人気店のカフェ巡りをして、チラシを入手してみてください。その時に、合わせて、メニュー表をメモしたり、どうやってカフェを回しているか、どういった接客をしているか、このカフェの売りは何なのかを自分なりに研究してみてください。

世に言われる独創性のあるものは、既存のものに何かを加えたものがほとんどですよ。例えば、アップルのiPodは、ソニーのウォークマンがベースです。

あなたは一国一城の主なのです。何に縛られることなく自由に構想ができます。万人受けする必要はありませんが、こういうカフェを待っていたんだよ!と言われるようなカフェをぜひオープンしてください。

経営者になる覚悟はありますか?

従業員のころは、例えミスを犯したとしてもお給料は貰えます。自分でカフェを開業した場合は、その保証は一切ありません。売上が少なければお給料はありません。したことすべてが自分の責任として返ってきます。

また自分も店に立ってカフェを経営することの難しさの一つが、従業員でありつつも経営者の視点を持つ必要があるところです。悪い意味ではなく、二重人格になる必要があります。カフェの場合は、沢山のお客さんとの接客がありますから、もっとかもしれませんね(笑)

売上が立たなければ、勉強して、そのための対策を考えるのも、実践するのも全てあなたです。ここで、孤独は耐えられないとか、自分と対峙するのなんて絶対無理!という人は止めた方が無難かもしれません。もちろん、相談できる同業者の仲間は持ちましょう。

その代わり売り上げが立てば、それは経費と税金を除いて全てあなたのお給料になります。上司にあれこれ言われず自由に企画も考えられます。

貯金はありますか?

カフェを開業するには、1人で回せる規模の店舗でも百万円単位の初期投資がかかります。内装工事の平均坪単価は30~60万(厨房機器や備品等は含まず)と言われています。店舗を借りる時の敷金も、住居用を借りる時と異なり3~10ヵ月分前後ですよ!

金融機関からカフェ開業に必要な資金を全額借りられると思っている人がいますが、それは銀行などからぜひ借りてくださいと言われるような、既に何店舗が出店している成功者の話です。例えば日本政策金融公庫の新創業融資制度の場合、開業資金総額の1/3の自己資金が借りるの時の要件です。

そして申請時に、私はカフェを開業するために、こんなこと、あんなことを経験してきて、お金もこれだけ貯めてきました。「本気ですよ私は!!」の意思表示が必要です。

MEMO

経験値が少ないと、申請を却下されるときも当然あります。保証人や担保などによっても結果が変わる時があります。比較的融資を受けやすいと言われる日本政策金融公庫の担当者と話をして、早めに感覚をつかんでおきましょう。

家族や親戚から借りるのも一つですね。できる限り貯金をためて借りる額を少なくしましょう。一番は言うまでもなく無借金でスタートすることです。毎月の返済が少なければ少ないほど、カフェの運営はとても楽になります。

羅針盤を持っていますか?

羅針盤とは、企業における理念の様なものです。企業のように大そうなものでなくとも構いません。あなたがなぜカフェを開業したいのか?あなたのカフェはお客さんに何を提供したいのか?それを明文化しておいてください。

私の場合は、1人で入りやすく、お客さん同士が繋がる場所でありたい、どんなお客さんとも隔たりなく接し、お客さんが自然な形で前向きに何かの気づきを得られるカフェでありたいと決めました。

カフェの仕事は、単調な部分があるがゆえに時として自分がしていることに不安を覚えたり、これで良いのだろうかと思ってしまう時がきます。お客さんの期待に応えようと、本来の形から大きくぶれて後悔することもあります。自分という存在が何だか分からなくなる時があります。

うまくいっていない時は尚更ですし、うまくいったらいったで近い人から嫉妬を受けることもあります。驕りもでてくるでしょう。異性からの誘惑もあるでしょう(笑)

大海原にポツンと1人だけいるような感覚です。そんな時に、羅針盤があれば、またそこに向かって船を漕げるようになります。これは私からのお願いでもあります。

編集後記

ロマンと算盤(ソロバン)という言葉があるように、ロマンも重要ですが、同様に算盤も重要です。カフェをオープンするなら、あなたはもう1人の経営者です。何人ものビジネスの成功者にあってきましたが、共通するのはとにかく動き回ります。受身ではなく、積極的に、動いて、失敗して、それでも動いて結果を掴みましょう。

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