カフェのオリジナリティを出す視点

小さなカフェの開業・経営を応援するカフェナレッジのエスカーニョです。今回はカフェのオリジナリティを出す視点について列挙します。カフェが続々と増えているなか、お客さんに来店してもらうためには、他店とは違うカフェの特徴、個性、差別化が必要です。二回に分けて記事を書きます。本記事は食事編です(店舗・インテリア編はこちら)。

カフェ・フード

食事編

門外不出とされてきたレシピは、料理本、料理番組、クックパッドなど、以前と比べて随分と世に出回っています。この結果、素人でも容易にカフェとして提供できる食事が作れるようになりました。また、ミシュランに掲載されるようなレベルでもない限り、もはや美味しければお客さんが必ず来るという時代ではありません。食事は普通でも繁盛している店は沢山あり、食事以外の部分が重要だとも言えます。

仮に、プロの舌を唸らせる味を100点満点、美味しいと評判の立つレベルを90点台、カフェとして提供してよい味の点数を80点以上とします。カフェの場合は、100点満点を目指すより、客層に合わせたメニューや価格帯で、90点以上を数点、それ以外を80点以上で揃えるように考えましょう。

フードジャンル

例えば分子料理など他にないジャンルのフードを提供すると大きな差別化が図れます。目新しい方がメディアの取材対象になりやすいです。しかし、ジャンルの知名度が弱かったり、商圏人口が少ないと集客できない時があります。また、こういった店は、一旦流行ると分かると真似されたり、ブームが過ぎると廃れたりするリスクがあるので、それだけが売りとならないようにしましょう。

スイーツ

カフェを開業する以上、カフェの顔となる皆が認めるスイーツ(90点レベル)を一品は用意しましょう。スイーツ専門店とコラボするのも一つですね。ドリンクだけで済ますところを、ついスイーツもセットで頼んでしまう。スイーツが美味しいと顧客単価が上がります。カフェ好きの女子も集まります。女子が集まると・・・、自然と男子も集まります(笑)

コーヒー・紅茶

ペーパードリップ、ネルドリップ、ウォータードリップ、サイフォンなど色々なコーヒーの抽出の仕方があります。豆も沢山種類があります。カフェで、コーヒーや紅茶が美味しいのは基本ですし、あなたなりのこだわりがきっとあるはずです。時間をかけて拘りの抽出方法と珈琲豆を選んでください。あと、紅茶派のために茶葉にもぜひ凝ってください。なぜか紅茶が脇役になっているカフェが多いので、それだけでアドバンテージがとれます。

お酒

今まで数多くのカフェやカフェ・バーに行っていますが、お酒は意外とどこも同じようなものしか置いていません(バー単独は除く)。お酒の利益率は高く、お酒が出ると売上が伸びます。腐るものでもありませんし、食物のように腕は必要ありません。是非、酒好きの心を掴むラインナップにしてください。私は、韓流ブームに乗っかって韓国焼酎のチャミスルを一時期提供していました。ブームの時は良くでましたよ。撤退が容易なものは流行りに乗っかるのも良いですね。

食材

食の安全が疑問視される昨今、生産者の分かる食材を提供しているだけでお客さんが集まる店があります。有機野菜、地産地消、産地によって高級感や付加価値をつけることができます。私は先輩の実家で作られたお米を直接購入(その分安価で買えた)していました。顔が見える安心感だけでなく、本当に美味く、そのお陰で料理全体のレベルがぐんとあがりました。お米やパスタ選びは本当に大事です。事実、イタリア料理人から高くても良いパスタを選べば、それだけで専門店レベルに近づくと言われたことがあります。

提供方法

単純に食事を提供するのではなく、バイキング、食べ放題、飲み放題、立ち飲み、パスタの種類を選べるなど、提供の方法を工夫することで特徴を出すことが可能です。ただ、準備などの手間や利益率を考えると特徴が仇になる可能性がありますので気をつけましょう。その中、安定してテイクアウトはおすすめですね。周りの店舗などから注文してもらえる事が多いです。なお、ケーキなどのスイーツのテイクアウトには、菓子製造業の許可申請が必要となる場合があります。その場合は、飲食店営業だけでなく菓子製造業としての施設基準も満たす必要があるので、カフェの施工前に保健所に必ず問合せしましょう。

編集後記

食材、珈琲豆、茶葉などにこだわりがある場合は、それをメニュー表などに積極的にアピールしましょう。それを知ることでより一層美味しく感じられることがあります。

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