小さなカフェの開業・経営をアトオシするカフェナレッジです。いわずもがなカフェの立地はとても重要です。立地は集客の要素のうち40%を占めると言われています。
どんな立地条件の物件を探せばよいのか
家賃が高くなくて通行量もある。これが小さなカフェが生き残るための立地条件です。そのような都合がよい物件はあるの??たしかに滅多にありません。しかし、資本力と知名度に乏しい中小のカフェは見つけなくてはならないのです!
飲食店(カフェ)に向けた立地を区分すると次表のようになります。一等地だと家賃が高く周りは大手の強豪ばかりで、中小のカフェではとても太刀打ちできない。一方、単純に家賃が安い3等地だと人通りが少ない。中小のカフェが狙うのは、1.5等地か2等地となります。
立地 | 特徴 |
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1等地 | 駅前やメイン通りの立地。人通りが多く目立つが家賃が高く有名店が多い、中小規模のカフェが狙うべきではない。 |
1.5等地 | 一等地から外れるので家賃は高くないが、集客ポイント(デパートなど)と集客ポイントの間にあり通行量が見込める立地。空いている物件数は多くなく見つけにくい。 |
2等地 | 集客ポイントと集客ポイントの間にあり通行量が見込めるが視認性がよくない。中小のカフェが1.5等地の次に狙うべき立地。 |
3等地以下 | 人通りが少なく、かつ視認性が悪い立地。家賃は安いが集客が難しいので、特別なケースを除いて狙うべきではない。 |
一見して儲かると思えるカフェの立地
飲食店(カフェ)の物件探しは単純ではありません。一見して儲かると思われがちな次の立地には重々気を付けましょう。
一等地は儲かる
一等地のために家賃は高いが通行量がとても多い。だからお客さんが沢山来店して繁盛するだろう。これはとても甘い観測です。一等地は有名チェーン店でも撤退する場合があるぐらい維持費が高く強豪もごろごろ周りにいる状態になります。また立地的に大きな建物(箱)ばかりで、従業員を多く雇う必要があり人件費もかさみます。一等地は資金力と知名度(集客力)に乏しい中小のカフェが出店するエリアではありません。
人通りが多いと儲かる
人通りがこんなに多いのに家賃が激安!ラッキ~と思って即契約したけれど、みんなカフェには寄らずに素通りされる。下記は「破天荒フェニックス オンデーズ再生物語(田中修治)NewsPicks Book」からの抜粋で、いまや世界10ヶ国200店舗以上で展開している有名メガネチェーンのオンデーズの新社長が満を持して出店した第一号店で大失敗した話です。
最大の勘違いはここだった。大事なのは、店前の通行量よりも、店の前を歩く人たちの「ショッピングモチベーション」なのだ。つまりどれだけ沢山の人が店の前を歩いていようが、買い物をするつもりで歩いていない人たちに財布を開いてもらい、お金を出してもらうには、とてつもなく高いハードルがあったのだ。
まさにこれと同じで、カフェに行くモチベーションのない人がいくらカフェの前を通っても仕方ないんですよね。カフェに行くモチベーションがある時って、たとえば、友達と一緒に服を買いに行く時とかですよね。通行量だけでなく、どういう目的の人が歩いているかもとても大事です。
お店が多い場所は儲かる
確かにお店が多いところに人は集まりやすい傾向があります。しかし、単に同業だとお客さんの取り合いになります。たとえば、スナックばかり入った建物がたまにありますが、どこのスナックも決して流行っている訳ではありません。駄目とは言いませんが、単純に周囲にお店が多いからといって儲かる訳ではありません。
カフェの物件探しの盲点とは
家賃が高くなくて通行量もある。やっとのことで探した物件にとんでもないオチが待っている場合があります。それは、建物の管理組合などの規定により、店の前に看板を置けないことです。
いくら好条件の物件でも看板を置くことができなければ、カフェの存在に気付いてもらえる可能性が格段に減ります。SNSなどのインターネットが旺盛な時代においても、なんとなく看板を見て来店されるお客さんはとても多いのです。
また、排気ルートが確保できるのか、電気、ガス、給排水、給排気などの容量がどうなっているかも確認しましょう。作る料理によっては電気などの容量が不足する場合があります。
足りない場合は増やすことが可能なのか、増設ができない場合は残念ながらカフェを出店できないことになります。良く分からない人は設計士さんと一緒に物件を内覧すると良いです。特に今まで飲食店ではなく事務所として貸していた物件は要注意です。
そのほか、取り返しのつかないことがないように、不動産屋と契約をする前に、同じ建物内にあるテナントに顔を出して、変わった条件がないか聞くこと。また、留意すべき取り決めがないか不動産屋に直接確認しておきましょう。
編集後記
カフェを開業したい!と相談される度に、カフェの物件はやり直しがきかないから辛抱して探すことを勧めています。くれぐれも「家賃が安いけど人通りが少ない」「通行量が多いけど家賃が高い」といった物件に手を出さないでください。「家賃が高くなく通行量が多い」こういった立地を探すのはなかなか困難ですが、この条件を満たす物件を見つけられたらカフェの成功率はグッとあがりますよ。